私、パタンナーです。

「元」パタンナーの目線から服のことを書いています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

大切なのは土台。きれいな衿や袖を作るためのひと手間について。

服って、いろいろなパーツが組み合わさってできています。 シンプルなTシャツでも、前身頃、後身頃、袖と3つのパーツで構成されます。一枚の布でできている服はまずありません。不可能ではないので、絶対ないとは言いませんが。 (注: 実際にはそれらのパーツ…

縫製工場などの現場を見ることができるのはとてもラッキーなこと。

私が新卒で入った会社は、そこそこ値段の高い洋服を作っている会社でした。 日本国内の工場とも取引があって、工場見学させていただいたことが何度かありますし、新入社員の研修として1週間お手伝いさせていただいたこともありました(邪魔していただけかもし…

独学でパターンが引けるか?定規とシャーペンと大きな紙があればとりあえず引けます。

私は、高校生の頃から服を作っていました。雑誌についているパターンをまねて自分で製図したり、アレンジしたりして作っていました。 ファッション系(服飾)の専門学校に通っていましたが、学校で本格的に製図を勉強する前からパターンを引いていました。 そ…

スタイルよく見せるための工夫。ダーツの位置や長さで見た目が変わります。

服は人の体をかっこよく見せる型だと書いたことがあります。 www.pattern-maker.net 今回は具体的な例を上げて、どのようにスタイルよく見えるパターンを作っているのかを書いてみようと思います。 たとえば、パンツのひざの位置が下だと、足が短く見えてし…

コンマ1mmでテーラードの衿が変わる、工業用パターンの秘密

パターン(型紙)は、製図してそのまますぐに使えるわけではありません。 「パターン」は「工業用(工業)パターン」にしないと、縫製できません。 「パターン」から裏地用のパターンを作ったり、見返しのパターンを作ったり、縫い代を付けたりと、実際に縫うこ…

身頃のパターン(型紙)が前後同じ形なのは、パタンナーの個性?

デザイナーが描くイラストがひとりひとり違うように、パタンナーが作る型紙もひとりひとり違います。 同じイラストを見て製図をしても、パタンナーの個性が必ず出ます。 でも、パタンナーの個性は、一般の方にはわかりにくいのですね。 私は長くパタンナーを…

腕の上がりにくい袖。袖山の高さで運動量が変わります。

なんとなくこの服、袖のところが着にくいなあ、ということありませんか? 腕を上げようとすると、引っかかるかんじがして上げにくいとか。 腕は大きく動かせるところなので、ニットなど伸びる生地ではストレスなく動かせますが、布帛(織物)ではきつく感じる…

「仕事」というものについて。

私はパタンナー(洋服の型紙を作る仕事をする人)です。 私は昔から服やなにかこまごまとしたものを作るのが好きでした。 装苑なんかに載っていた囲み製図を使って作ったり、アレンジしたりしていました。 学生の頃は、自分の部屋に閉じこもって、ひたすら服を…