私、パタンナーです。

「元」パタンナーの目線から服のことを書いています。

縫製工場などの現場を見ることができるのはとてもラッキーなこと。

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私が新卒で入った会社は、そこそこ値段の高い洋服を作っている会社でした。

日本国内の工場とも取引があって、工場見学させていただいたことが何度かありますし、新入社員の研修として1週間お手伝いさせていただいたこともありました(邪魔していただけかもしれませんが)。

そこは大阪市内の縫製工場さんで、ジャケットを縫われている、大きな工場でした。

 

もちろん、就職する前に専門学校でいろいろ縫って勉強はしています。でも、実際に縫製工場で縫っているところを見て、作業させていただくのはなによりの勉強になりました。

だって、自動でポケットのフラップが縫えたり(アタッチメントをセットして、ボタンを押すと縫いながら縫い代カットまでしてくれる)、大きなプレスを使って芯貼りする(置いて、ボタン押すだけなんですけどね)なんて、自分で体験するのと聞いただけなのとは全然違います。

もうひとつ、何度か見学させていただいた工場さん。プリーツの加工を得意とされるところでした。

これがまた、本当におもしろい。

プリーツのスカートでしたが、厚紙で作った型を裁断済みの生地に置いて、人の手でぱたぱたぱたぱたっ、と折りたたんでいきます。もう、目にも留まらぬ早さで、簡単そうに。

もちろん簡単なわけありません。職人の技です。

あとは反物の生地を生地幅そのまま機械に差し込むと、反対側から細かいプリーツがかかった状態で出てくる。

プリーツプリーズみたいな、規則的な細かいプリーツを作る機械ですね。

もう、いつまででも見てられます。

 

こういう経験は、今になってわかりますが本当に貴重で、自分の糧になります。そして、ある意味武器になります。

だって、自分の目で見たり、体験したことなら、知識として他人に伝えることもできますよね。

そうすると、相手からの信用、うまくいけば信頼を得られます。

相手が知らないだろう、と思うことを実は知っていたとなると、へえ、そんなこと知ってんの、やるな、と思ってもらえるかもしれません。

逆を考えるとわかりやすいでしょうか。自分がまったく信頼できないと思っていた人が、ちゃんと話をしてみたら、実は意外と知識があって話が通じたりして見る目が変わったという経験、ありませんか。

 

今の部署では、国内の工場で縫製してもらうことは皆無ですし、パタンナーが海外出張することはまずないので、縫製工場や洗いや染めなどの加工屋さんなどに行って、作業されているところを見せていただく機会はありません。

今取引をしている工場さんとのやりとりは、自分の想像と他人に聞いたことの受け売りでしかありません。

だからこそ、現場を見たことがあるという経験が生きてきます。どんなふうに裁断されて、縫製、プレスされるのか、ある程度想像ができます。話もしやすくなりますね。

 

こんなふうに書いていると、いろいろ思うところがあります。

見学させていただいた工場さん、もうないところもあります。

貴重な体験がいくつもできた私は、本当にラッキーですね。

 

最後まで読んでただき、ありがとうごさいました。

 

 

 

 

 

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