服の値段が高い理由。ステッチだけで高いかどうかわかる。
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値段が高い服って、見た目でわかる部分がたくさんあります。
町で見かけた他人の服で、なんとなくあの服高そう、と思ったら、ほんとに高いことがほとんどだと思います。
でも、よく見ないとわからないとか、知ってるから高いのがわかる、ということもあります。
高いからいい、安いから悪い、というわけではないので、誤解のないようにしていただきたいと思います。
だって、今から書くことは、わかっている人にはわかるけど、わからない人にはどうでもいいところなのかもしれないからです。
1年以上前のことですが、電車に乗っていて、ボーッと目の前にいる人のコートを見ていました。
綿のコートで、後から見ていたのですが、トレンチコートのようでした。
最初、なんとなく「ステッチがきれいな服だな」と思って見ていたのですが、いや、これはきれいどころじゃない、と気が付きました。
ステッチは、縫いはじめと縫い終わりを「返し縫い」します(返し針などとも言います)。ほどけてこないように、縫いはじめと終わりに1cmほどの距離を返して止めるのです。
既製品は必ずこの返し縫いをしていますが、そのコートには返し縫いがなかったのです。
返し縫いがないとほどけてくるので、裏側に糸端をひっぱりだして手で始末します。これはとても手がかかるのです。
でも、もしかしたら、返し縫いしているけれども、見えなかっただけかもしれません。
返し縫いを目立たないように縫うことは、不可能ではありません。しかし「目立たないように返し縫いする」のも、技術的に難しいことなのです。
どちらにしろ、返し縫いを外から見えないように縫っている=手がかかっている=工賃高い=商品の値段が高くなるということです。
そのコート、よくよくボタンを見ると、アクアスキュータムでした。
さすが、10万を軽く超えてくるコートです。あ、もっと高いのかな。
だけど、はじめのほうにも書きましたが、返し縫いがきれいだからといってどうなん?と思う人もいると思います。
着心地には関係ないだろうし、遠目にはまったく見えないものですし。
今どき、そんなところに価値を求めてる人は少ないんだろうなあと思います。
もちろん、高い理由はステッチの話だけではありません。ありとあらゆるところに手がかかっているはず。
でも、高い服って大切にするんですよね。
さすがに一般人なら悩んで悩んで買うだろうし、実際大切に着たら、高い服は10年もちます。
10年着られたら、充分元は取れそうな気がします。
ただし、デザイン的に着られなくなることがほとんどなので、そこは注意が必要ですが。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。