手間がかかるとコストもかかる。服の値段が見た目だけではわからない理由。
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なんでもそうですが、値段が高いのには理由があります。
原価率とか数量とかそういうことだけではなく、パタンナー的観点から、服はこんなことでも値段が上がるよ、というようなことを書いてみたいと思います。
まずおおまかに上げると、
- 使用する生地、付属(ボタン、ファスナーなど)の値段が高い。
- 生地、付属をたくさん使う。
- 切り替えやパーツが多い。縫製するところがたくさんある
- 裁断、縫製しにくい生地である。
などなど…。
生地や付属などの値段が製品の値段にはね返るのはわかりやすいところですね。
生地、付属をたくさん使う、もしかりです。
付属は、見えないところに使うものもあります。
たとえば肩線や衿ぐりなどが伸びないように使う伸び止めテープ。いろいろなタイプがあります。
また、張りをもたせたりするために使う接着芯。衿、見返し、カフスなどに使用します。
こういうものは、使うのと使わないのとでは、製品のでき上がりがかなり違ってきます。縫製もしやすくなり、後で問題が出るのを回避するためでもあったりするので、お客様からのクレームの防止のためにも使ったりします。
また、裏地などもそう。
一口に裏地といっても、素材、機能面などにより、種類がたくさんありますし、値段も変わってきます。ジャカードなど見栄えのいいものもありますが、もちろんお高いです。
そして、切り替えやパーツが多い、これは単純に手間がかかるため工賃が上がるということです。
フリルが付いてたり、やたらポケットが付いてたり、などもそう。縫う場所が多ければ、その分手間も時間もかかります。
また、途中でアイロンをかけたり、といった工程が増えるので、当然、工賃に加えられます。
裁断、縫製しにくいといった、扱いにくい、難しい生地も、工賃が上がります。
たとえばシフォンのような、薄くて透けるような生地だと、使う接着芯も特殊なものを使いますし、貼り方にも気を遣わないといけなくなります。
そうそう、透けるような生地だとほかにこんなことも…。
縫い代の始末もロックミシンでは表から透けて見えるので、袋縫いという、メンドクサイ始末にしたりしないといけなくなったりします。
生地そのものの値段だけでなく、その生地を使うことにより手間がかり、さらにお金もかかってしまうのです。
服を見ていると、なんでこんなとこに切り替えあるのかなとか、こんなところにブランドのロゴのネームが付いてる、とかよく思います。
パタンナーなので、こういうの、気になります。だって、これのせいで高いのかもしれないもの。
こないだ買った、ユニクロのヒートテック極暖のタートルネックの裾にも。
これを付けるのと付けないのとで、値段がどれだけ変わるんだろう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。