服の値段を安くする方法。でも本当に安いものがいいの?
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昨日は服の値段が高くなる理由を書きましたが、今日は安くする方法をパタンナーの観点から書いてみたいと思います。
安くする方法としては、いろいろとあります。
- 生地、付属が安い
- 原産国
- 工場の閑散期に生産
- 安くしろーと圧力をかける
- そして安くしろーと圧力をかけられる
などなど。
生地、付属が安いは説明不要ですね。
私が社会人になった20年ほど前、服は今ほど安くなかったです。
安い服には理由があって、それが見た目にも表れていたものですが、今は安いのが当たり前なので、一見安く見えない服がたくさんあります。
仕事柄、人が着ている服をどうしても見てしまうのですが、本当にひどいなあ、と思う服があります。
いくら安くても、この縫製はないなとか、こんな生地の服買う?とか思うことがあります。
作る側も買う側も、安いものしか着ないし見ないから、わからないんだろうなあ、と思います。
原産国についてわかりやすいのは、日本製が高かったころ、安い商品の代名詞がメイドインチャイナだったこと。今では中国製のほうが日本製より縫製がきれいと言われるようになっているようです。
だいたい日本の縫製工場は本当に数が少なくて、日本製の服を見ることも少なくなっています。
でも中国も工賃が上がって作れなくなってきていて、ベトナムやインドネシア、バングラデシュなど中国以外のアジアの国での生産が増えてきています。
でも私には、商社を通して大きなオーダーで…というイメージ。漠然。関わったことがほとんどないので、私はこのあたりは詳しくないんです。すいません。
ですがインドの生産には関わったことがあります。
インドは綿製品がメイン(最近ではレーヨンなどほかの素材もたくさん見られますが)で、素材的にもデザイン的にも軽衣料がほとんどだと思います。
そしてもちろん中国よりも安く商品が作れます。
プリントものやナチュラルなものなど、独特の雰囲気のものが多く、流行したときに一定数のキャパがインドの工場に流れて、そのまま定番化したのかなと思います。
ナチュラルの流行が落ち着いたあとでも、かっちりしたシャツなどではなく、アイロン不要の綿、リネンのシャツなどが定番化しています。
このあたりは時代の流れを感じます。服にアイロンなんて手をかけるのめんどくさいし、ラクに着られるカジュアルに流れていますよね。
そして、インド綿のような薄い生地ではなかなか難しかったパンツも、近年かなり出回ったガウチョ、スカーチョ(すごい名前)などボリューム感のあるパンツなら可能でした。
次の閑散期に生産するのは、工場にとってもメリットがあるので、ぜひ欲しいところだと思います。
縫製工場は、年間を通して一定数まんべんなく仕事があるというところはなかなかありません。先ほどインドのことを書きましたが、インドの商品は夏物が多いため、生産は冬に集中します。
このようにどんな工場でも得意、不得意分野があるので、普通は得意な分野のアイテムが同じ時期に集中するため、当然繁忙期と閑散期の差がはげしくなります。
暇な時期ならお安く縫いますよー、遊んでるくらいならねー、ということですね。
そして安く安く、と圧力をかけられるのは、OEMをやっていたとき。
安くないと売れないし。
去年と同じ値段で、だけど去年よりなにか機能性を上げろ、とか。
できないと言えばその仕事がなくなるだけでなく、ほかのOEMの会社に乗り換えられてしまい、別の仕事も失うことになるかもしれません。どうしようもありません。
そして、今度はこちらが安くしろーと協力工場や生地屋さんに圧力をかける。
でも、安くていいものを求めてるのは誰?
私たち消費者??
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。