私、パタンナーです。

「元」パタンナーの目線から服のことを書いています。

パタンナー職の、新卒での就活の話。20年も前ですが…。

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新卒で就職活動をしたのはもう20年以上前の話。今の就活がどんなものかはわかりませんし、皆さんのお役に立つのかどうかはわかりませんが、どんなふうに活動したのかを書いてみようと思います。

私は服飾の専門学校(3年)を卒業しています。就職活動は夏少し前からはじまりました。

私が受けたのは最終的に4社。どれも大阪ではそこそこ大手の会社でした。パタンナー志望で受けました。

1社めは1週間研修させていただいた会社。とてもよいものを作られていた会社です。メンズに強い印象からか、男性のパタンナーさんがいました。

(デザイナー、パタンナーは女性が圧倒的に多いです。レディースの会社にばかりに勤めているからかもしれません。

上記のように、メンズのある会社では男性のデザイナー、パタンナーがいるところもありますが、必ずしも男性がメンズのデザインやパターンをしているというわけでもありません)

そのとき勢いのある会社だったので、社屋もものすごくきれいでおしゃれ(某有名建築家設計の社屋だった)、とにかくすごいところだなあ…と圧倒されてました。

研修の内容を少し。

パタンナーさんに指導していただいて、確かジャケットのトワルを組みました。はっきり言って学生のめちゃくちゃなトワルを、何人分もよくチェックしてくれたなあ、仕事に支障あっただろうなあと思います。とても優しいパタンナーさんたちでした。

研修のことは思い出せるのですが、試験については全く憶えていない私…。でも、受けて、落ちたことは確実なはず…。

 

2社めは、服ももちろん作っていた会社ですが、生地屋さんとして名前の通った会社。

面接官ひとりと私での面接試験でした。感触はなんともいえないかんじでしたが、落ちました。

 

3社めは本命の会社。総合商社で服の製造、卸の部門があり、そこでの勤務でした。ここではデザイナー志望もパタンナー志望も同じ試験を受けました。

筆記、作文、デザイン画、製図・トワル作製の実技試験、別日に面接。

ちなみにこの会社で無事合格、10年弱働くことになります。

そのとき受かったのが私ともうひとりのたった2人。デザイナー志望だった彼女は、最初の2、3年パタンナーをされていました。

 

4社め、こちらはかなりの高級品、フォーマルなどもされている会社。レディースばかりで、百貨店などの、とてもよい商品を作られている会社です。

実技試験は通りましたが、面接に進む段階で内定が決まり、辞退させていただきました。

 

就職試験にあたり、自分がまずしたことといえば、自分で作った服をボディに着せて写真に撮り、アルバムにまとめたことです。

けっこうな量あったのと、試験の際着ていた服も自作のものでしたので、多少のアピールにはなったかもです。

新卒の採用試験で、話のネタにもなるのでよかったのかもしれませんが、中途採用だと微妙。とくにパタンナーでは、実技試験(パターンやトワル)を見ればすぐにわかるので。(本当にすぐわかります)

そして、第一志望の会社は決まっていたので、そこに照準を合わせ、夏休みにトワルを組みまくりました。

だいたい2時間でジャケットやブラウスのトワルをひとつ組むとか、実技は平面だけでトワルはなしとか、それぞれ会社の試験の方法は先生が知っています。私が行きたかった会社の対策のため、パターン、トワルを時間内に仕上げる練習をやりまくりました。

これは本当に、夏休み実家の自分の部屋で、汗だくになりながら練習しまくりました。もちろんイラストもたくさんたくさん描きましたし、筆記試験の勉強もしました。

 

学校では、同じクラス(小さな学校だったので1クラスしかなかった)には24、5人いましたが、就職が決まらない人もちらほらいました。中にはパタンナー志望だったのに内定をもらった会社での配属が品質管理か生産管理かの部署になって、すぐにやめてしまった人もいます。

今の新卒の採用はもっと厳しいのだろうな、と思います。とくにデザイナー、パタンナーなどの企画は。

私は就職氷河期世代ですが、企画の採用に関しては今のほうがずっと少ないはずですし、いい会社(時間やお金をかけて新入社員を育てる余裕がある、という意味で)も、ほとんどなさそうです。 

 

ちなみに、私が採用試験を受けた会社、すでにないところもあります。かなり縮小しているところも…。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

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