取引先の担当の方がたに言われた、印象的な言葉。
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私は今までパタンナーしかしたことがありません。アルバイトではちょこちょこしていましたが。
ですので、仕事で関わりのある方はほとんど糸へんに関係する方ばかりです。
とくに工場の担当の方とパタンナーは、密にコミュニケーションを取らなければならない間柄です。
今回は、パタンナーとして接した人間味あふれる縫製工場の担当者の方がたのことを書いてみようと思います。
今はほとんど作りませんが、若いころしょっちゅう服を作っていました。
就職してからも、忙しい合間を縫って作っていました。本当に作るのが好きだったのです。
そんなとき、ある縫製工場の社長に言われた言葉です。
「担当のパタンナーさんは、服をちょっとでも縫う人がいい」
私が服を作るということを聞いていたから言ってくれた言葉なのだと思います。
でもその言葉、おもいっきり本音だと思います。ちょっとでも、というところに本気なのを感じます。
とてもきちんと仕事をしていただける、信頼できる工場さんでした。いいものを作られていました。
サンプル依頼をする(パターンを送る)と、パターンが届いてすぐに問い合わせの電話がバンバンかかってくるような縫製工場だったのです。とてもプライドを持ってやっていらっしゃったはず。
だからこそ、縫製のことを少しでもわかっているパタンナーがいい、ということなのでしょう。
工場の担当の方に言われた、忘れられない言葉はまだあります。(先ほどの社長とはまたべつの方です)
縫製工場は中国ですが、事務所は日本。しょっちゅう中国に出張されて、私たちメーカーと現場さんとの橋渡しをされている担当者さんでした。
わりと近いところに事務所があるので、よく来社されていました。その日も来ていただいていたので、パターンや仕様書はまだできていませんでしたが、サンプル作製をお願いする分の絵型、生地や仕様や納期などひととおり説明しました。
説明し終えた後、パターン、仕様書は〇〇日に送ります、と伝えたとき。その日付が遅いと感じられたようで、その方(男性、そのときで40代くらいだと思われる)が言った言葉。
「のんびりしてはるなあー」
この言葉に、全て集約されていますよね。
それでもこの担当の方は、このときこの言葉以外、私を急かすようなことをおっしゃることはありませんでした。
その頃はまだ、日本の工場さんで商品を作ってもらうことが多く、海外のほうが少なかったくらい。
そしてなぜかそのときいた会社のやり方では、すべてのパターン、仕様書が揃ってから出荷する、という慣例がありました。そして海外の工場はあまりなかったので、その工場さんでお願いする型数は、サンプルも本生産も毎回そこそこの数ありました。
その頃の私、なにもわかっていない小娘で…できた分から順次送るくらいのこと、なぜしなかったのか(本当によく来られてた方なので、実際はできた分から渡していましたが)。今思えば本当に恥ずかしい。申し訳ありませんでした。
そしてもうひとつ、これも国内の工場の社長との話。
以前いた会社で、シーズンごとにサンプルをモデルさんに着てもらい、カタログの撮影をしていました。そのうちのあるサンプルの写真があまりにも素敵で、うれしくて直接お礼を言いたくて、縫っていただいた工場の社長に電話をしたことがありました。サンプルが届いた時点で、上げていただいたことに関してお礼は伝えてあります。
でも、苦労して上げていただいたサンプルだったので、私もその素敵な写真を見て本当にうれしかったのです。お忙しいかな、仕事の手を止めさせてしまうのは悪いかな、とちょっと迷ったのですが、ただただ、素敵なサンプルをありがとう、いい写真になりましたと感謝を伝えたかったのです。
社長からしたら、突然の電話に、え、なんかあったんですか??作り直し…とか?!と一瞬身構えたのかもしれません。私が謝意を伝えると本当に喜んでいただいて、「そういうふうに言っていただくとうれしい」と言われました。
そういうことがあると、それからなんとなく話しやすくなりますよね。
こんなふうに書いてみると、私は仕事をする環境と、いっしょにお仕事させていていただいた方々に恵まれていたなあーと思います。とくに直接顔を見て仕事ができるのは、国内の工場だからこそでもあります。
つくづく、私ってラッキーだったのかも…と思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。